「鼻が少し低かったら世界の歴史は変わっていただろう」といわれた絶世の美女、クレオパトラ。プトレマイオス王朝最後の王(王妃ではない)だった彼女の生活は黄金に満ちていました。『プルーターク英雄伝』という本ではこう記しています。
「古代ローマの英雄カエサルと初めて晩餐を共にした時は黄金の器を使い、アントニウスと結婚した時は黄金と赤紫で刺繍した布が壁を飾り、黄金の器が祝宴を盛り上げた」
クレオパトラは5カ国語をあやつる賢い女だったが、「絶世の美女ではなかった」とも言われています。クレオパトラの横顔を刻したコインが残されているが、鼻は高いものの眉は太く、強い意志を感じます。女性なら美しい像を刻させたいと思うものであろうが、実物はさて、どうだったのでしょうか。
カエサルはクレオパトラに似せた黄金のヴィーナス像を彼女に贈っています。もし残っていたならば美女説を裏付けできるかも知れないが、その像自体「本当にクレオパトラに似せた」とは限りません。
クレオパトラは「美を保つため、真珠を酢で溶かして飲んだ」といわれますが、特に黄金に執着はしなかったようです。ちなみに、クレオパトラ・楊貴妃・小野小町が世界の三大美女と言われているが、これは日本だけの話。ヨーロッパでは小野小町ではなくスパルタの王妃ヘレナを入れているそうです。