世界最古の金貨はどこで造られたのでしょうか。エジプト、中国、インド、
様々な国が思い浮かぶことでしょうが、実はトルコの南西部で栄えた国
「リュディア王国」で紀元前660年ごろに造られたと言われています。
しかしそれは純粋の金貨ではなく、金3銀1の合金。そのため完全なコトブキ色ではなく
やや白っぽい金色をしており、金貨の名は「エレクトロン」。
現在のエレクトロニクスという言葉はここから出たといわれています。
リュディアで金貨が造られた理由は2つあると考えられています。
1つは、リュディアが地中海とメソポタミアをつなぐ交通の要衝にあり、
商業が発達していたため、交換手段として金貨が求められていたこと。
もう1つは、首都サスディスの近くに砂金が大量に採れた川「バクトロス川」があり、
原料の金が採れたためです。また、リュディアは傭兵を使っており、
その褒賞にも金が使われたといわれています。
純粋な金貨は約100年後、リュディア王クロイソスによって造られたそうです。
表に獅子と牡牛の半身、裏に王室の紋章が刻印されています。
金貨の名は「スターテル」。3分の1、6分の1、12分の1の重さの金貨も造られました。
この重さからわかることは、10進法ではなく12進法が用いられていたということです。
この金貨は極めて良質の金貨だったため、地中海地方で広く使われ
「地中海のドル」ともいえる金貨となりました。