14話 金印紫綬 

2023-03-29

古代、中国は周辺諸国に金印を与えていました。これは日本でも見つかっています。

江戸時代の天明4年(1784年)、志賀島(福岡県)で「漢倭奴国王」と彫られた金印が発見されました。これは「後漢の初代皇帝光武帝が九州の豪族に下賜したものでは」と推定されています。

この金印、一辺が約2,3センチの正方形で、高さは約2.2センチ、重さは108グラム。

つまみに蛇の文様が刻まれています。日本では「これは日本で作られたものだ」という偽造説も流れたが、どうやら中国で作られたという説が正しそうですね。

 

なぜかというと、福岡県埋蔵文化財センターが分析したところ、金が95.1%、銀が4.5%で誤差は±0.5%との結果が出ています。当時、中国大陸の砂金には金が90%以上、銀が3~4%、銅が1%未満、その他水銀などが含まれていたといわれており、金印の成分の大変似通っていたため、中国で作られたという説が正しいとされています。

 

しかし、光武帝が下賜したものかどうかははっきりしていません。

 

魏志倭人伝には邪馬台国の女王卑弥呼に「今、汝をもって親魏倭王となし、金印紫綬を仮し」と書かれています。しかし、魏は後漢より200年近く後に成立した国であるため、この金印は志賀島で発見されたものとは別物でしょう。

邪馬台国の所在地は九州説と大和説があり、今も論争が続いています。

 

もしこの金印が発見されたならば、発見場所によって論争に終止符が打たれるかもしれません。

 

アーカイブ
27話 岩崎弥太郎の扇子と小判

2023-06-28

金の小話 21話-30話

26話 フビライの黄金宮

2023-06-21

金の小話 21話-30話

25話 純度最高「平成小判」

2023-06-14

金の小話 21話-30話

24話 海賊のボスは苦労三昧

2023-06-07

金の小話 21話-30話

≪免責事項≫

*提供される情報はサンワード証券株式会社(以下弊社)が信頼できると判断した情報源をもとに弊社が作成・表示したものですが、その内容及び情報の正確性、完全性、適時性について、弊社は保証を行なっておらず、また、いかなる責任を持つものでもありません。
*弊社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものではありません。
*掲載される株式、債券、為替および商品等金融商品は、企業の活動内容、経済政策や世界情勢などの影響により、その価値を増大または減少することもあり、価値を失う場合があります。この情報に基づいて投資を行った結果、お客様に何らかの損害が発生した場合でも、弊社は、理由のいかんを問わず、責任を負いません。
*投資対象および銘柄の選択、売買価格、掲載内容の判断及び同内容に基づく解釈、契約締結等については、などの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※商品関連市場デリバティブ取引・商品デリバティブ取引及び取引所為替証拠金取引(くりっく365)に関する重要事項についてはこちら(https://www.sunward-t.co.jp/policy/index.html)をご覧ください。