古代ローマ帝国の皇帝ネロ。キリスト教徒を迫害し「暴君」として知られているが、彼は金をこよなく愛したと言われており、実際に黄金で飾った宮殿、黄金像などを作ったとされています。
ネロの治世の時代、ローマは大火で3分の2が消失。この時ネロは跡地を整備し、公園と宮殿を建てようと計画していました。宮殿の名は「ドムス・アウレア」。日本語に訳すと「黄金宮殿」という意味になります。
もっとも、その詳細は分かっていません。完成しなかったという説もあるほどです。
しかも、その跡地にはローマ観光の目玉「コロシアム」が建設され、現在は跡形もありません。ただし、名称から伺えるように黄金で飾られた宮殿であったことは間違いないでしょう。
ネロは自らの黄金像も作らせたと言われています。高さは約4メートル。古来ローマの栄光を伝える豪華なものだったようです。ところがこのネロ像、ネロが殺されると首だけほかの人に替えられてしまいました。その像すら現在は残っていません。
まさに諸行無常(すべては移り変わるという意味)ですね。しかし、この像に使われた金は形を変え、今も使われていることだと思います。ネロは亡くなったとしても金は永遠に存在し続けています。ちなみに、ネロはローマの大火があった際には別荘へ行っており、放火の指示を出した事実はありません。放火に関しては冤罪であったものの、キリスト教徒に罪を擦り付けたことは事実であり、これをもって暴君とされたと言われています。