冒険小説やハリウッド映画ではよく「黄金半島」、「黄金島」などが出てきます。
もちろん、そんな半島、島などあるわけがありませんが、古代、世界では「黄金半島」と呼ばれる半島があったと信じられていました。
なんの必然性もありませんが、「マレーシア半島ではないか」ともいわれています。
というのは、この半島は世界最古の地図、プトレマイオスの地図の中にあり、マレーシア半島当たりを「黄金半島」と記述していたからです。
この地図、アフリカの先端がマレーシアの先でつながってインド洋が内海になっています。
現在の感覚からすると、相当に不完全だが、当時としては最先端の知識から生まれたものに違いはありません。
なぜ、この半島を黄金半島といったのでしょうか。その真偽は不明だが、
「この地域にある半島が黄金を産出していたとの説があった」からではないでしょうか。
このころ、アジアからは黄金や胡椒など各種の物産が海路、地中海地方に送られていました。
といっても、地中海周辺の住民が、その方面の知識があったわけでも、地図があったわけでもありません。
多分、物品を持って来た商人から、いろいろ聞き、それが想像を膨らませ、「黄金半島」となった可能性が強いです。
当時、地中海世界では「東方には金銀の満ちあふれた島や半島がある」との説が広く流布していました。
それがプトレマイオスに影響を与えたとも考えられいます。