日本一の金山をご存じでしょうか。佐渡金山を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、日本一の金山は「菱刈鉱山」といい、日本で有数の金山があった鹿児島県に位置しています。金属鉱業事業団が1978年から調査に取りかかり発見しました。
当時「日本の金の鉱脈は新世代第三紀(6,500万年から200年前)の安山岩にある」といわれていました。ところがいくらその層を掘っても金は出てこず、結局残る資金はわずか50万円にまで減ってしまいました。そこで「せめてこの層の下にある四十万十層の構造でも探ってみるか」と掘ったところ、大金脈にぶち当たりました。
菱刈鉱山は100万年ほど前にできたといわれています。そこで「どうしてこんな常識はずれのことが起こったか」と学者がいろいろ調べたところどうやら、温泉と湖が大きな役割を果たしているということが分かりました。 温水に金がとけ込み、それがマグマを通って地表近くに来て、湖などの水で冷やされて鉱脈となったというものです。これを学問的には「浅熱水型鉱床」と呼んでいます。
現在日本各地で金鉱山が発見されていますが、その多くはこの浅熱水型鉱床であるといわれています。温泉は日本中に存在しています。つまり日本は金の上に乗っているともいえ、「黄金の国ジパング」の復活も夢ではないのかもしれません。