ニュートンはリンゴが木から落ちるのをみて万有引力の原理を発見した。これは子供でも知っている有名な話だが、最近異説が発表された。それは「練金術に没頭、各種の実験をしている時、万有引力の原理を発見した」というものだ。これは英国の著述家マイケル・ホワイト氏の出した説だ。氏によると、ニュートンは当時の有名な練金術師に出した手紙で「物質が互いに引き合っている」とか「ある種の物資が蒸発せずに容器の底に引きつけられていた」などと述べていることより「実験の時に万有引力を思いついた」としたものだ。
この説の当否はともかく、ニュートンが練金術に凝っていたことは間違いないとみられる。というのも、彼の死後、錬金術に関する文献が大量に発見されたからである。一説には「錬金術の知識は世間に広めるのは危険だ」といったとか。(『錬金術がよくわかる本』より。)
当時「すでに錬金術はない」といわれていたため、科学者がニュートンの名誉を守るために隠蔽したともいわれる。逆にいえば、当時からニュートンは科学者として尊敬された存在だったのだ。ただ、当時の科学者は多かれ少なかれ練金術に興味を持っていたともいわれている。ニュートンは英国の造幣局の長官をしていたので、もし練金術が成功していたら大金持ちになっただけではなく、英国政府も大いに潤ったであろうことは確実だ。