113話 金貨で残照、ポルトガル

2025-04-09

 世界を1つにし、西欧諸国の力を世界に及ぼした大航海時代。それを先導した国がポルトガルである。その後、ポルトガルはスペイン、イギリスに覇権を奪われ、力を失っていくが、金の世界では18~19世紀にはまだ、力を保持していた。その覇権の残照ともいえるのがポルトガルの金貨だろう。
 その基になったのが、植民地だったブラジルで採掘された金。1692~94年の間に、ブラジルでミナス・ジェライス鉱山が発見され、そこで掘り出された金を使ってリオデジャネイロの造幣所で2つの金貨が造られた。
 1つはブラジル国内で流通した金貨で、もう1つはヨーロッパで広く流通した金貨。このヨーロッパで使われた金貨を「ドプラ」と言った。当時、すでに英国が台頭、ポルトガルは落日の時を迎えていた。しかし、アメリカなど英国の植民地では金がほとんど生産されなかったので、ドプラ金貨に頼る面が大きかった。一説にはドプラはドルの語源にもなったともいわれる。それほどに、ポルトガルの金貨はヨーロッパでは信用され、広く使われていたのだ。
1739年に造られたポルトガル王ジョアン5世の金貨は、長い髪の王の横顔が描かれているが、結構、威厳がある。もっとも、本当に威厳があったかどうかはわからないが……。純度は高く、しかも、品質は保持されていた。
 

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