金はいったい、多いのか、少ないのか。人類生誕以来、ナイルの川底からアンデス山脈まで採掘された金は約18万トンといわれています。これは神宮のオリンピックプール四杯分くらいです。
採掘量も埋蔵量も決して多くはありません。金の普及宣伝機関WGC(ワールド・ゴールド・カウンシル)によると2018年の世界の採金量は3,260トン、採掘できる金、つまり可採埋蔵量は約5万4,000トンでしかありません。これでは16年で取り尽くしてしまう。とはいっても原油同様、これから新たに発見される金鉱脈もあるのでそんなことはないと思うが…。それにしても、少ないことに変わりはない。
ところが、見方を変えると別の風景が見えてきます。地球は落ちてきた隕石が固まってできたというのが定説。その隕石には金が含まれており、それに地球の重量を掛け合わせると約2,000兆トンの金があるといいます。そこに加え、海水に含まれる金も大量にあり、海水1トン中には100万分の1グラムの金があると言われています。それを海水の量に掛け合わせると約1,900万トンの金がある計算になります。
もっとも、地球の金はほとんどが中心部に集まっており採掘できない。海水中の金も採取方法はあるが、微量で採っても採算に合わない。
「金は希少」という状況は当分、いや、半永久的に変わることはないかもしれません。