世界最大の帝国を築いたモンゴル。西遼や金を滅ぼし、さらに南宋を征服、中国全土を支配した。その王朝を元と言われています。その最盛期を築いた皇帝、それがフビライです。フビライといえば、日本に2度に渡って来襲、「元寇」命じた皇帝として、日本人には忘れられない名前でもありますね。
彼の著書『東方見聞録』を訳した『マルコ・ポーロ旅行記』にはこう書いている。
「宮殿の壁は金銀で覆われ、金メッキを施された浮彫の龍が飾られていた。天井も金銀、色彩だけが目に映る。(中略)宮殿の奥まったところに広間や部屋のある大きな建物(=後宮か)があり、金銀の器具、宝石、真珠、黄金の板などが置かれていた」
まさに〝黄金家族〟が住むのにふさわしい宮殿でした。
これは竹でできており、表面には金銀を張っていました。夏の暑い3ヶ月、フビライはこの宮殿に住み、好きな時に好きな場所に移動できたという。モンゴル民族は遊牧民族。その性癖はチンギス・ハーンから六代目のフビライにも受け継がれていました。