12~13世紀、カンボジアに黄金に彩られ、大いなる繁栄を謳歌した国がありました。
その名はアンコール王朝。首都はいまアンコールトムがある場所で、人口は約100万人。緑の大平原の中に広がり、「首都の地域は今の東京より大きかった」ともいわれています。
この王朝では、王は外出する時、座席を黄金で飾った像に乗り、黄金の太刀を持っており後宮には多くの美女を擁し、いずれも金で装飾した豪華な衣装をまとっていたと言われています。
中国の書『真鑞風土記』はカンボジアの都アンコールトムについて「金の橋、金の塔がある黄金の都」とも記しています。それほどに豊かな都だったのでしょう。
しかし、現在のカンボジアではほとんど金が採れません。古来、金は川底から採れた砂金が主でした。そこで、メコン川と支流のカン・ウーの両川から採れた金が多かったのではないのでしょうか。また、交易が盛んだったので農産物を輸出して、海外から金を取り寄せたこともあったかもしれませんね。