「大名や大商人から小判を奪っては貧乏人にばらまく」
義賊としてその名も高い鼠小僧は一体、どの程度の大判小判を奪ったのだろうか。
1997年、その被害者リストが石川県の旧家から発見されました。
それによると、被害にあった大名は41家、被害総額は2,100両ほどだったといいます。当時の1両はどの程度の価値があったか分からないですが「1両盗めば首が飛ぶ」ともいわれていたので、相当なものだったことは間違いありません。
最も被害が多かったのは岐阜大垣藩でおよそ400両、2番目は白河の安部家でおよそ180両となっていますが、「1,000両箱が盗まれた」といった例はありません。
どうやら千両箱を盗むのは映画の中だけの話のようですね。
もっとも鼠小僧が盗んだ額については他にも説があり、「99家、3,100両」ともいわれています。中には佐賀、鍋島藩のように5回も入られた大名もいたそうです。
いずれにせよ、盗んだのは事実としてもそれをばらまいたという記録はありません。