金本位制は第一次世界大戦で停止されましたが、混乱が収拾に向かうとともに復活に動き出しました。最初に復活したのはもちろん、英国でした。1525年(大正15年)、金本位制を行ったのは時の蔵相チャーチルでした。そう、第二次世界大戦中の首相です。
しかしこれは大失敗でした。というのも、第一次世界大戦中に物価が大きく上昇していたにも関わらず、戦前と同じ価格水準で金本位制を復活させたからです。この時、それを批判した男がいました。それが「ケインズ革命」といわれる経済学の大法則を発見した、著名な経済学者ケインズです。
ケインズは「戦前と同じ金価格で金本位制を復活させればデフレになる」と警告していました。結果はケインズの言った通りになりました。英国は激しいデフレに襲われ、不況に陥りました。しかも1929年に米国ウォール街の株価大暴落によって世界大恐慌が起こり、不況に拍車をかけました。結局、英国は1931年9月21日に金本位制を廃止しました。
チャーチルはヒトラーとの戦いには勝ちましたが、経済についてはあまりよく知らなかったようです。しかし、我々はチャーチルを嗤うことができません。日本でも犬養毅が同じことをして金が海外に流出、大不況をまねいた過去があります。これが娘の身売りや満州事変による大陸進出、太平洋戦争をもたらしたのですから。