「三大〇〇」とはどの国にも存在するものだ。日本でも「三大金山」といわれるものがある。ひとつは福島県の高玉金山、もうひとつは大分県の鯛生鉱山、そして最後が北海道の鴻之舞鉱山を指している。この中にはなぜか日本を代表する金山、佐渡金山が入っていない。というのも、「三大金山」と言う言葉がはやったのは1900年代の初頭で、この頃には既に佐渡金山は最盛期を過ぎ、産出量が減って “中小金山”になっていたからだ。
歴代金産出量は鴻之舞が73.1トンで歴代3位、鯛生は35.6トンで第5位、高玉は28.2トンで第7位となっている。不思議なことに本州にあるのは高玉だけで、他は北海道と九州にある。ただ、いずれも今では廃坑となっている。
日本で「令和の三大金山」を選んだら、どのようになるだろうかと考えたいところだが、その「三大金山」は成り立たない。というのも、目下日本で採掘しているのは鹿児島県の菱刈金山だけだからだ。歴代採掘量では菱刈金山がダントツの第1位で、佐渡金山は第2位。これらを上回るような埋蔵量金山は発見されていない。しかも菱刈は日々採掘しているので、“菱刈の独走”はまだまだ続きそうだ。