1910年、南アフリカ共和国に吸収されたズールー族には黄金伝説がある。「1892年、ズールー族最後の王ロベングラは滅亡を予感して、先祖伝来の金塊やダイヤモンドをあるところに隠した」というものだ。この地域は昔から金やダイヤモンドを産出していたため、こんな伝説が出来たのだろう。その伝説は次のようなものだ。
ある時、ロンベグラは南ローデシアのウムリモ洞窟に行き、神託を貰った。それには「白人との戦いは避けられず白人は王家の財宝を奪うだろう」と出ていた。そこでロンベグラは「白人に渡してしまうくらいなら」と、2個の大きな鋳鉄製の箱に黄金を詰め込んで、秘かに埋めた。
というものだ。
その場所は分からないが、ジャングルの中にミモザの木があったことから、その木を目印にして、その回りの大きな穴を掘って箱を埋めたという。もちろん、現在まで見つかってはいない。
よく考えずとも、ミモザの木は大きく成長する上にあちこちに生えている。それを目印にするなど妥当とはいえまい。このようなあやふやな目印をつけたということ自体、この伝説が間違っていることの現れといえる。
それでも探したいという人はミモザの木を探したらどうだろうか。ミモザの木はたくさんあるので、何年かかるかは分からないが。