75話 ソロモンを超えた黄金教会

2024-11-06

 ビザンツ帝国(=東ローマ帝国)の文化はエジプトや古代ローマの最盛期を思わせる「黄金の文化」だった。王宮、教会は黄金に包まれていた。特に豪華だったのが大宮殿。大広間の天上の隅には宝石を飾った黄金の大十字架が描かれていた。これは「ビザンツ帝国はキリスト教の国」ということを示すためであった。宮殿の内部も豪奢そのもの。玉座は金、銀、象牙で飾られ、玉座の回りには檻に入った金箔のライオンが座し、金箔のカナリアが侍していた。金、銀、象牙は王座など王宮だけに限らず、教会で聖なるものとされた器具、聖具にも使われた。また、富豪も金の装飾を日用的に使った。これはまるで「金銀を持っていないと人ではない」といわんばかりである。
 有名なアヤ・ソフィア寺院はもともと木造であったが、537年ユスティニアヌス帝により、1万人の職人を使って石造りに建て替えられた。建築面積は約1万平方メートル、頂上までの高さが54メートル。中は紫大理石で囲まれ、金銀箔で飾られている。使った金はなんと18トン。完成した時、ユスティヌアヌス帝はこう叫んだという。
「この聖堂を私に建てさせた神に栄光あれ! ソロモンよ、われは汝を追い抜いた」
 ソロモンとは紀元前にユダヤ民族が創ったイスラエル王国の王。「ソロモンは金張りの大神殿を造った」と旧約聖書に記されている。つまり、アヤ・ソフィア寺院の金の使用量はそれを上回ったというわけだ。いかにユスティニアヌス帝が誇ったか想像に難くない。
 

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