偽造金貨は世界中で発行されているが、どこが最も有名なのだろうか。金貨の収集家ならすぐ分かるはず。それは、中東はレバノン国の首都、ベイルートなのだ。その理由は第二次世界大戦中にさかのぼる。この時、英国のソブリン金貨が偽造された。その生産地がベイルートだったので、ベイルートが世界的に「偽造金貨の地」として有名になった。
日本では、昭和天皇御在位60年を記念して記念金貨が発行されたが、その偽造金貨が大量に出回った。この時、「このように大量に偽造するのは国内では無理、多分、外国で偽造されたのでは」との説が流れた。しかも、その地としては「ベイルートが有力」とのうわさが広まった。もちろん、その証拠はなかったが、ソブリン金貨の偽造からレバノンが思い起こされたのだ。
もともと、中東は昔から金細工が盛んで、その技術の高さはいまに受け継がれている。その中東の中でもベイルートは大商業地として栄えていただけに金細工はお手のもの。金貨の偽造など朝飯前といったところか。ベイルート人は怒るかも知れないが、ベイルートにいったら金細工を買う場合も純度に気を付ける必要がある。金貨は注意して購入した方が無難かもしれない。もっとも、いまレバノンは紛争の真っただ中。ベイルートでも金貨の偽造などをする余裕がありますかどうか。。