138話 金を使って金を採掘

2025-09-03

 「洗面器を使って川の砂を分離して金を採取する」ーまだ、開発途上国などではほそぼそと行われ、貧しい人々の生活の糧になっている。だが、こんな牧歌的な時代は先進国ではもうとっくに昔話となった。いまでは金の大部分は巨大な資本を使って地下深く掘り進み、採掘されていることが多い。

ところが、大規模になればなるほど、その資金の調達は大変。そこで、頭の良い人が20世紀後半、「金(きん)を使って資金を集め、金を採取する」手法を考えた。これを「ゴールドローン」という。

 仕組みはごく簡単。「鉱山会社が、銀行などが保有している金(きん)を借り、それを市中で売って資金を作り、その資金で設備投資をして金を発掘する」というもの。借りた金(きん)は採掘した金(きん)で返却する。金は利息が付かない。それを貸し出せば金利が入り、銀行にもメリットが大きい。

 この方法は1980年代の後半、一時、爆発的に流行したが、90年代に入ると下火になった。当時は金の価格が低迷し、借りてもなかなか採算に乗らないうえ、これで金を採掘すると、その分、金の価格を抑える可能性があったからだ。

それにしても「金(かね)は金(かね)を生む」とはよくいわれるが「金(きん)が金(きん)を生む」時代になったようだ。

≪免責事項≫

*提供される情報はサンワード証券株式会社(以下弊社)が信頼できると判断した情報源をもとに弊社が作成・表示したものですが、その内容及び情報の正確性、完全性、適時性について、弊社は保証を行なっておらず、また、いかなる責任を持つものでもありません。
*弊社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものではありません。
*掲載される株式、債券、為替および商品等金融商品は、企業の活動内容、経済政策や世界情勢などの影響により、その価値を増大または減少することもあり、価値を失う場合があります。この情報に基づいて投資を行った結果、お客様に何らかの損害が発生した場合でも、弊社は、理由のいかんを問わず、責任を負いません。
*投資対象および銘柄の選択、売買価格、掲載内容の判断及び同内容に基づく解釈、契約締結等については、などの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※商品関連市場デリバティブ取引・商品デリバティブ取引及び取引所為替証拠金取引(くりっく365)に関する重要事項についてはこちら(https://www.sunward-t.co.jp/~policy/)をご覧ください。