カリブ海では沈没船の宝を探す人が跡を断たない。だが、大半は失敗。黄金を得るどころかお金を失う羽目に陥っている。そんな中、大成功した男がいる。それがメル・フイッシャーである。
彼は1985年、スペインのガレオン船ヌエストラ・セニョーラ・アトウチャ号を発見した。ヌエストラ・セニョーラ・アトウチャ号はスペインに向かった船だが、嵐にあったのか、1622年に沈没している。発見場所は「バンク・オブ・スペイン」。スペインが中南米から略奪し、本国に送った船が多く沈没しているとされている地域である。
この船には金・銀を合わせて約40トン、他に金銀でつくられた工芸品、エメラルドなど、スペインが南米で略奪した“お宝”が満載されていたといわれた。それを300年以上たって発見されたのだ。
回収された財宝の内訳は金の延べ棒が115本、金の鎖が27本、金貨が76枚、金の延べ板が11枚。さらに、金の工芸品、装飾品、エメラルドなどもあり、発見当時の価値は約4.5億ドルともいわれている。いまではその何倍、いや何十倍もしているだろう。
ただ、見つかったのは船の前半分だけ。後半分はまだ見つかっていない。そこには「前半分より多くの金銀が積まれていた」といわれるが、さて。もちろん、その後も探索は続けられているが、まだ発見されていない。