黒海の西側、バルカン半島東岸にブルガリアという国があります。日本ではヨーグルトでおなじみだが、世界最古の黄金文明はここで生まれたといわれています。
1972年、ヴァルナという町で2つの墳墓が見つかりました。いずれも紀元前4,000年から4,500年、つまり6,000~6,500年前の墓で、ここに見事な金製品が埋葬されていました。その数は合計約2,000点。重量に換算すると古い方の墓には1キログラム、新しい方の墓には5キログラムに相当した金がありました。
金製品の内容は多彩。王など支配者が持っていたと思われる黄金の錫(しゃく)、王妃や王女が持っていたと思われる指輪やネックレス、王宮の装飾か祭祀に使われたのではないかと想像される雄牛を象った像。いずれも6,000年以上前に造られたとは思えないできばえです。このような素晴らしい装飾品が一朝一夕に作られたものではないでしょう。それまでに各種の技法が試みられたことでしょう。それを考慮すると金製品の製造、つまり黄金文化はさらに歴史を遡るかもしれません。