どんな人間でも発見したいと夢見るのが金山でしょうか。
その発見法をあなただけにそっとお教えしましょう。
「夜、人里離れた山に入り、灯火が見えない場所に行く。そこで気をこらし、
精神を集中して回りの山を見る。もし、火のように明るいところがあれば、そこに金が埋まっている」
これは江戸時代の学者佐藤信淵が著した『山相秘録』という本に載っている方法です。
佐藤信淵は出羽国(今の秋田県)に生まれ、鉱業、農業などに通じた大学者。
秋田県は全国屈指の鉱産物の産地で、秋田大学に全国唯一の「工学資源学部」もあります。
それだけに出羽の国には昔から金に関する言い伝えがあり、このような「金山発見法」に
結実したのかもしれません。けしてウソを書いたとは思いませんが、本当なのでしょうか。
それではもうひとつ、海外の学者の説をお教えしましょう。
「鉄の二又(さすまた)の先を両手で握って、それを上にして山の中に入る。
金尾鉱脈の上にきたら二又がぐるりと回って下になる。そこには金が埋まっている」
これは16世紀、ドイツの科学者アグリコーラが書いた『デレメタリカ』という本に載っています。
これも「デタラメなのでは」と思わずにいられませんが、興味深い話ですね。