時代劇にはよく千両箱が登場します。では、千両箱はどの程度の重さだったのでしょうか。1両小判の重さは時代によって異なりますが、1枚3.3グラムから17.9グラム程度と言われています。
平均値は分からないですが、一般によく知られている元禄、慶長、正徳、亨保は1枚 約17グラム強なので、仮に17グラムとすると、1,000枚では約17キログラム、
これに箱の重さなどを加えると約20キログラムが千両箱の重さとなります。
時代劇では千両箱を担いで逃げる盗賊が出てきますが、20キログラム程度ならひとつは担げそうですが、「屋根伝いに……」となると、なかなか難しい。まして、2つ、3つとなると重いものを扱い慣れていた江戸時代の人でも大変です。
江戸時代には千両箱以外にも五百両箱、二千両箱、五千両箱というのもあり、これらはひっくるめて「千両箱」といわれていました。五千両箱ともなると、重さは約100キログラムにも達する計算になります。これはもう、昔の人でも運ぶことはできなかったでしょう。簡単に持ち出せないという性質により、幕府や大名の御金蔵で小判の保管用として使われたかもしれません。
もっとも、幕末の万延小判だと1枚 約3.3グラムしかありません。千両でも約3.3キロ。箱などを加えても約6キロ程度と軽い。これなら盗んでも担いで逃げられそうですね。