古代から中世にかけ、コンスタンチノープル(現イスタンブール)を首都に栄えた東ローマ帝国。この帝国はビザンツ帝国ともいわれ、莫大な金を基に金貨を造りました。最初に造ったのはコンスタンティヌス一世。金貨は「ノミモス金貨」といい、ここから「ヌミスマティック(=古銭学)」という言葉が生まれました。ノミモス金貨は古銭を代表する金貨で、良質な金貨の代名詞にもなりました。”中世のドル“ともいわれ、国際貿易の決済に使われていました。
ノミモス金貨の純度は約98%。1ノミマス金貨に約4.48グラムの金が含まれていたそうです。その純度は4世紀のコンスタンティヌス大帝の時代から11世紀のニケフォロス三世の時代まで約700年間ほぼ維持されていました。
それより小さい金貨も鋳造されていました。ノミスマ金貨の半分の金貨を「セミシス」といい、3分の1の金貨を「トレミシス」と言われていました。基準金貨より小さな金貨は世界中でよく造られています。
ノミマス金貨はその後、名称を変更。8世紀から12世紀までは呼び名が「ノミスマ」に一本化され、さらに12世紀から13世紀には「ヒュベルペロン」といわれました。
しかし、徐々に純度を落とし、やがて国際決済にはベネチアの
金貨に取って代わられ、使われなくなったそうです。