135話 スペイン内戦で金を強奪

2025-08-13

 ヘミングウエイの名作に『誰がために鐘がある』がある。第2次世界大戦前にスペインで起こった内戦を描いたものだ。この小説は映画化され、ゲーリークーパーとイングリットバークマンの炎のような恋を描いている。

 この内戦、旧ソ連の支援を受けた極左の人民戦線とナチスドイツの支援を受けた極右のフランコ派との争いだったが、ここでは大量の金塊が動いた。極左の支援者スターリンは現地の情報員にこんな指令を出したのだ。

「武器を提供した報酬に650トンの金塊をソ連に送らせよ」。

 この金塊は人民戦線が保有していたが、「英米の銀行に預ける」といって信用させ、4隻の船に載せて運び、ソ連に持って行ってしまったという。ソ連は人民戦争を自国のために利用したのだ。もっとも、極右を支援したナチスドイツは新しい武器の試験に使った。爆撃機でゲルニカと言う街を爆撃し、多くの人を殺害。怒ったピカソが「ゲルニカ」という大作をものにした。それをタイルにした複製が、ゲルニカの街に飾ってある。

 スターリンの奪った金はまだにスペインには返されてはいない。人民戦線には理想に燃える多くの若者が加わったが、結局、フランコ派が勝ち、その後、スペインではフランコ独裁が長い間続いた。もし、この金が有効に使われていたら、人民戦線が勝利し、第2次世界大戦の様相も少しは変わっていたかもしれない。

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