オリンピックに金メダルがあれば、パラリンピックにも金メダルがある。2021年に東京で行われた「2020東京パラリンピック」では金メダルは直径85ミリ、厚さは最大で10.7ミリ、最小で7.5ミリだった。ここでも東京オリンピックなどと同様、純金を6グラム以上使っている。ただ、金の量は同じだが、図柄などは大きく異なっている。
オリンピックと違い、金メダルに競技名、種別、性別、種目名が英語で描かれている。しかも、表面には金メダルでは1つ、銀メダルでは2つ、銅メダルで3の円形のくぼみが付けられている。このくぼみ直径3.4ミリ、深さ0.25ミリとなっている。
このようなくぼみをつけたのは、選手に視覚障害者などがおり、「さわって分かるようにした」ためという。この結果、東京オリンピックの金メダルとは厚さが異なることになった。
表面に描かれた図柄は扇。これは「新しい風は人々に熱気を与え、新しい風を生み出す原動力になる」ことを示している。つまり、身障者への理解という「新しい風」を期待している。
扇の要は「人種・国境を越えて人々の心を一つに束ねてくれる」という意味合いが込められている。岩、花、木、葉なども描かれているが、これは、「日本に生きる自然を表し、環境を守り、差別をなくそう」という意図が込められている。逆に言うと、まだまだ環境が守られず、差別があることを表しているともいえようか。