「黄金のハサミ」といえば、すぐ、道路などの完成時にテープカットなどでお偉方が使うハサミを頭に浮かべる人が多いことだろう。だだ、オーストラリアでは、そのような軽薄なものではなく「名誉の象徴」として、黄金のハサミが使われている。
羊の国オーストラリアでは、毎年「羊の毛刈りコンテスト」が行われ、その優勝者に黄金のハサミを授与している。もっとも、すべて黄金で出来ているわけではなく、金メッキ製だが……。
このコンテストは「指定された時間内で何頭の羊の毛を刈れるか」というもの。簡単なようだが、そのスピードは大変。「13分間で15頭程度の毛を刈れないと優勝できない」といわれている。
しかも、毛を刈る羊は縛っているわけではない。生き物なので、当然、大暴れする。それを捕まえて毛を刈るのはよほどの熟練を要する。素人が挑戦すれば、羊を捕まえるだけでも一苦労。しかも毛を刈っても虎刈りになってしまうのがオチ。1頭刈るのに一体、どの程度の時間がかかるか想像もできない。建設工事になにも携わらずテープカットだけをするお偉方に、一度刈らせさせたいものだ。
ちなみに、毛を刈るハサミは電動ハサミを使うが、優勝者に与えられるのは、昔ながらの手で刈るタイプと言う。