3話:金の恩人、ニクソン大統領

2023-01-04

「金とドルの交換(つまり金本位制)を停止する」。1971年8月15日、米国のニクソン大統領がこんな驚くべき発言をしました。世界は第二次世界大戦前に金本位制を停止する国が続出していたが、米国はずっと金本位制を維持していました。しかしそれをやめるといったのです。これを人々は「ニクソンショック」と呼んでいました。       

 

当時、米国は貿易赤字が続き、政府が保有していた金がどんどん海外に流出。それに堪えられなくなったのです。それまで1トロイオンス=35ドルで米国政府は金を売っていたが、売る行為を辞めたことで固定化していた金価格も自由に決められるようになりました。奇しくも、8月15日は日本が第二次世界大戦でポツダム宣言を受諾、降伏した日。このニクソン大統領発言は「米国の敗戦宣言」と思われました。

 

しかし、これは全くの誤りでした。金は価格が自由になったことで、少したつと糸が切れた凧のように上昇、今では1,300ドル前後と37倍前後になっており、金を保有していた人は大儲けしました。まさに、「ニクソン様々」。ニクソン大統領は金の恩人ともいえるかもしれません。

 

もっとも、これで一番儲けたのは米国政府です。なぜなら当時、先で最も金を保有していたのは米国政府でした。ちなみにそれは今も変わりません。逆に日本は金保有量が少なく、儲け損でした。「あの時、金を買っていたら」と思わずにはいられませんね。

 

 

 

アーカイブ
48話 イギリスの金貨判定

2024-03-20

金の小話 41話‐50話

47話 東京オリンピック記念メダル

2024-03-13

金の小話 41話‐50話

46話 デラックスの語源

2024-03-05

金の小話 41話‐50話

45話 ロマノフ王朝の金塊

2024-02-28

金の小話 41話‐50話

≪免責事項≫

*提供される情報はサンワード貿易株式会社(以下弊社)が信頼できると判断した情報源をもとに弊社が作成・表示したものですが、その内容及び情報の正確性、完全性、適時性について、弊社は保証を行なっておらず、また、いかなる責任を持つものでもありません。
*弊社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものではありません。
*掲載される株式、債券、為替および商品等金融商品は、企業の活動内容、経済政策や世界情勢などの影響により、その価値を増大または減少することもあり、価値を失う場合があります。この情報に基づいて投資を行った結果、お客様に何らかの損害が発生した場合でも、弊社は、理由のいかんを問わず、責任を負いません。
*投資対象および銘柄の選択、売買価格、掲載内容の判断及び同内容に基づく解釈、契約締結等については、などの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※商品関連市場デリバティブ取引・商品デリバティブ取引及び取引所為替証拠金取引(くりっく365)に関する重要事項についてはこちら(https://www.sunward-t.co.jp/policy/index.html)をご覧ください。