中世ドイツを代表する都市にニュールンベルグがあり、ナチス発祥の地として知られ、戦前、ナチスによって数々の祭典が行われた街と言われています。
1423年、この街に莫大な金銀財宝が持ち込まれ、神聖ローマ帝国皇帝ジギスムント(1368~1437年)がキリスト教の一派ムス派の蜂起を恐れ、財宝の保管をニュールンベルグに委託したのです。財宝は「王権を象徴した黄金の宝冠や錫、イエスのわき腹を刺した聖槍」など、その多くは金で飾られていました。これらの財宝は返されることがなく、ニュールンベルクの宝になりました。
中世、商業として発展した都市はヴェネツィア、ハンブルグをはじめ、海に面した都市が多く、ウィーンやブタペストなど、商品の受け渡しに便利な大きな川の側につくられていました。ところが、ニュールンベルグは近くに海もなければ大きな川もありません。
それではなぜ発展したのか。
それは、ニュールンベルクが神聖ローマ帝国皇帝の居城の横につくられた町だったからと言われています。商業の発達で王侯貴族から都市の自治権を買い取り、発展させたと言われています。「都市の空気は人を自由にする」と言われていましたが、これは金があったからの話ではないでしょうか。「金が都市の空気を自由にした」といえるかもしれませんね。