54話 チャーチルとケインズの金戦争

2024-06-26

金本位制は第一次世界大戦で停止されましたが、混乱が収拾に向かうとともに復活に動き出しました。最初に復活したのはもちろん、英国でした。1525年(大正15年)、金本位制を行ったのは時の蔵相チャーチルでした。そう、第二次世界大戦中の首相です。

しかしこれは大失敗でした。というのも、第一次世界大戦中に物価が大きく上昇していたにも関わらず、戦前と同じ価格水準で金本位制を復活させたからです。この時、それを批判した男がいました。それが「ケインズ革命」といわれる経済学の大法則を発見した、著名な経済学者ケインズです。

ケインズは「戦前と同じ金価格で金本位制を復活させればデフレになる」と警告していました。結果はケインズの言った通りになりました。英国は激しいデフレに襲われ、不況に陥りました。しかも1929年に米国ウォール街の株価大暴落によって世界大恐慌が起こり、不況に拍車をかけました。結局、英国は1931年9月21日に金本位制を廃止しました。

チャーチルはヒトラーとの戦いには勝ちましたが、経済についてはあまりよく知らなかったようです。しかし、我々はチャーチルを嗤うことができません。日本でも犬養毅が同じことをして金が海外に流出、大不況をまねいた過去があります。これが娘の身売りや満州事変による大陸進出、太平洋戦争をもたらしたのですから。

アーカイブ
最古の黄金文明

2021-01-15

金の小話 西洋の歴史

金はどのぐらい採掘されているのか!?

2021-01-08

金の小話 金山

金の小話

2020-12-26

金の小話 金貨

≪免責事項≫

*提供される情報はサンワード証券株式会社(以下弊社)が信頼できると判断した情報源をもとに弊社が作成・表示したものですが、その内容及び情報の正確性、完全性、適時性について、弊社は保証を行なっておらず、また、いかなる責任を持つものでもありません。
*弊社が提供する投資情報は、あくまで情報提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものではありません。
*掲載される株式、債券、為替および商品等金融商品は、企業の活動内容、経済政策や世界情勢などの影響により、その価値を増大または減少することもあり、価値を失う場合があります。この情報に基づいて投資を行った結果、お客様に何らかの損害が発生した場合でも、弊社は、理由のいかんを問わず、責任を負いません。
*投資対象および銘柄の選択、売買価格、掲載内容の判断及び同内容に基づく解釈、契約締結等については、などの投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断でなさるようにお願いします。

※商品関連市場デリバティブ取引・商品デリバティブ取引及び取引所為替証拠金取引(くりっく365)に関する重要事項についてはこちら(https://www.sunward-t.co.jp/policy/index.html)をご覧ください。