フランス革命。人類史に大きな影響を与えたこの事件の背景には、当時フランスを支配していたルイ王朝の贅沢三昧な生活があった。
その筆頭格が太陽王といわれたルイ14世(在位1643~1715年)である。パリ郊外に黄金に満ちた宮殿「ベルサイユ宮殿」を26年の歳月を費やして建設した。これについて『世界の歴史⑧』にはこんな話が伝わっている。
「王は人工と黄金との力をもって、自然を改良し、自然を征服されることを喜びとされた」とあって、ベルサイユ宮殿ではどこも黄金が輝いている。もっとも有名なのが、宮殿で多くの行事に使われた広間、「鏡の間」だろう。
鏡の間は壁が金で飾られ、それが鏡によって数倍にも豪華な様相を醸し出している。王の寝室も廊下との間を金で覆われた柵で仕切られ、庭の噴水には多くの像が建てられたが、その像はすべて金に覆われている。
ルイ14世は当初、パリのルーブル宮殿(現在のルーブル博物館)に住んでいたが、完成後はここに居住することが多かった。ただ、史書にもよく書かれているように、ベルサイユ宮殿には便所がなかった。さて、どう用を足したのだろうか。
いや、当時、パリの家には便所がなく、汚物は道にばらまかれていた。それがなくなったのはナポレオン3世によるパリ大改革の時である。