アメリカで金が発見されたのはカルフォルニアが最初ではない。1792年、金があまりないと思われていたアメリカで大量の金が埋蔵されている金鉱が発見された。場所は『風とともに去りぬ』の舞台となったジョージア州のアトランタ北部にあるダロネガという土地だ。しかし、ここには悲しい歴史が残っている。
ダロネガはチェロキーという先住民のインディアンの国だった。ところが金が発見されると、時の大統領ジャクソンが1830年「強制移住法」を制定、先住民を追い出して金を採掘、さらに造幣所を設立したのだ。ダロネカで発掘された金は当時のお金で約4,000万ドル。今の価格に換算すればさて、いくらになるだろうか。ちなみに、現在は金を掘り尽くし廃坑になっているが、採掘跡には金発見の記念館が建っている。
また、ジョージア州の州庁舎には黄金のドームがある。その金はこの時に採掘された金を使っている。ジョージア州の大農園主は「風と共に去った」が、金もまた風と共に去っていったとは皮肉な話だ。『風とともに去りぬ』はアトランタ周辺を舞台にしているが、ここにはレッド・バトラー船長がスカーレットの相手役として出てくる。バトラー船長はなぜか、いつも金まわりがよい。南北戦争中(1861~1865年)に貿易で儲けたことになっているが、その元手となる資金はどこから出たのだろうか。もしかすると、ダロネカで金を掘り当てたのかもしれない。