EU(ヨーロッパ共同体)は通貨を統一、「ユーロ」という通貨を発行したが、その発行前、フランスは独自の図柄の通貨「ユーロ金貨」を発売した。
名称は「ヨーロッパ美術館の名作」。第1次はドミニク・アングル作の「泉」、エドウアール・マネ作の「笛を吹く少年」、オーギュスト・ロダン作の「考える人」の3種類。それぞれ、表面にその作品が浮き彫りされている。
大統領などの顔を刻印せず、芸術作品を採用した当たり、いかにもフランス的だ。ただ、ユーロは統一通貨で、紙幣は統一的になっているが、金貨は、各国が独自の金貨を発行できるというのはちょっと奇妙だ。
額面は「考える人」が500フラン(=75ユーロ)、他は100フラン(=15ユーロ)。考える人が最も高く、他の金貨とちょっと差がついている。ロダンが最も高いのはそれだけロダンが高く評価されているからか、それともフランスは「ユーロ」の将来について〝考えている″のか。
500フラン貨の場合、品位はスリーナイン(99.9%)で、直径は27ミリ、重量は31.104グラム。発行枚数は各5,000枚。日本でも発売されたが、発売価格は金貨3種セットが32万9600円。当時の金価格に換算すると、金の重量よりぐんと高くなっている。その差額は?もちろんフランス政府に入った。