戦争中、日本では金(キン)の供出が行われた。戦争の遂行には金(カネ)がいる。そこで、国民から金を供出させて、それを国が買い上げ、海外からの資材調達に使った。当時、日本は戦局が悪化、円の価値は下がっており、海外から物資を調達するのには世界中どこでも通用する金(キン)が必要だったのだ。
1997年秋、このカビが生えたような戦法を採った国がある。それが韓国とインドネシアである。この時はアメリカが不景気になり、アジアに投資していた資金を引き揚げた。これは「アジア通貨危機」といわれ、日本を除く東南アジア諸国の通貨が軒並み下がった。そこで、資金に困った国が金(キン)を国民から買い上げ、それを借金の返済に当てようとしたのだ。
1998年1月7日に韓国が始め、インドネシアがこれに追随した。韓国の買い上げ量は初日だけで約3トン、金額では4億円になった。この程度の金額では借金返済にはほとんど効果はない。ただ、国民に事態の深刻さを訴える心理的効果はあり、政府もそれを狙ったようだ。
とはいえ、日本では第二次世界大戦中に国の要請で供出した金がかなり行方不明になった。しかも、戦後、買い上げて日銀にあった金が進駐軍に大量に持っていかれた。正直者が損をしないとよいのだが。