近世、ロシアを支配したロマノフ王朝。大宮殿を立て、ヨーロッパから高価な美術品を買い込み、
贅沢三昧の生活を送って革命を引き起こされました。
それだけに、大量の財宝を持っていたことで知られていますが、
「ロシア革命の時、ロマノフ王家の金塊が日本に運ばれた」という話があります。
これは、「大蔵大臣高橋是清の指示で軍用品に偽装されて日本に送られ、金貨に鋳造された」
といわれていました。日債銀総合研究所の多田井喜生社長が本に大略、以下のように書いています。
「高橋蔵相の指示で調査したところ『約45トンの金塊が日本軍の支援を受けていた
反革命軍将校によりシベリアのチタで保管されていた』ことが判明しました。
これを知った日本軍が、このうちの約9.1トン(186箱)を預かる形で手に入れました。
うち約3.83トン(金塊30箱、金貨50箱)を弾薬と偽って旅順の火薬庫に送り込み、
さらに大連から大阪商船の台中丸で門司・大阪港を経由して朝鮮銀行大阪支店に送られ、
「これを大阪造幣局が買い取って金貨に鋳造し直した」というもの。
当時、日本は金本位制だったので、金準備に組み入れられたと思われます。
ロシア政府からの問い合わせに対し、日本政府は「その後の債務決済などに充てられ返還義務はない」としているとのことです。