宇宙開発に欠かせないものがロケット。ここには金が大量に使われている。ロケットに積み込まれたコンピューターやエンジンに金線などが使われているのは常識だが、それ以外にも多くの部品に金は使用されている。
その1つが宇宙服。搭乗員はロケットから外に出て作業をすることが多いが、この時、太陽から放射されてくる熱を遮断するため、服全体を薄い金で覆っている。使った金の量はスペースシャトル1台で合計25キロとか。1グラム8,000円とすると、素材に使った金だけで2億円になる。それに加工賃を加えると、さていくらになるのだろうか。ロケットが高価になるわけだ。
ヘルメットの前の窓にも有害な紫外線から目や肌を守るために金のフイルムが貼られている。映画やテレビなどで、宇宙で活躍している人をみると、顔の全面が金色に輝いていることで、その状況をみることが出来る。それでも、中から外を見れるのは、金の幕が薄いからだろうが、それほど薄くても紫外線を防御するあたり、「さすがに金」とでもいえようか。
金は強い反射率をもち、しかも、長期間劣化しない。金がなければ、人は宇宙空間では活動できないだろう。ということは、ロケットが故障し、外部で作業しようとしてもできないことになる。とてもロケットなど危なくて打ち上げられまい。「金なくして宇宙開発なし」とでもいえようか。