金本位制は1816年、英国で始まり、世界に広がった。では、金を金属の王者にし、貨幣の主役の座につけた金本位制とは一体、どのようなものなのだろうか。
「金でモノが買える」からといって金本位制ということはできない。金本位制というのには「金でモノが買える」ほかにも多くの条件をクリアする必要がある。その条件を広辞苑ではこう書いている。
「金本位制とは金を本位通貨とし、通貨の単位価値と一定量の金とが兌換・自由な輸出入を通じて等位関係で結びつけられている制度」
ちょっとわかりにくいが、経済学の本によると、金本位制というには、以下の5つの条件をクリアする必要があった。
- 金を通貨の本位(=基準)にする
- 金の価格を1グラム〇〇円というように固定化する
- 金と他の通貨(例えば紙幣)との交換を制限しない
- 金の輸出入を制限しない
- 金貨を潰して地金として使ってもよい
つまり、金に対する制限をほとんど撤廃したともいえる。これによって、金は文字通り「金属の王者」になったともいえよう。