汚職と並んで偽造、知的所有権の無視が文化(?)になっている中国。これは現代だけではなく古くから続いていましたが、19世紀清帝国の時代にはドル貨幣も偽造されていました。『お金の歴史全書』ではこう書かれています。
「広東南のシェンテー地区には非常に大きな施設があり、そこには100人もの労働者がしばしば雇われている。そこでは、あらゆる等級のドルが製造されている。これらの偽造者は高い金を支払って手に入れたヨーロッパの刻印をもっていたといわれている。時には、彼らは偽造を試みるが、その時、若干の文字を忘れたり、ゆがめたりしてヨーロッパ人の眼をだますことに失敗している。しかし、一般に彼らのドル貨は流通しているので、この地方の人たちは大部分の普通の人でも、貨幣鑑定に熟達している」。
これを見ると政府が自らドル貨を偽造、しかも製造所の労働者がそれとは別に模造ドル貨幣を造っていたことが分かります。中国では銀貨の交換手段としてコットも多く使われていましたが、品質に問題がありました。ちなみにこの頃の中国では「ドル紙幣」も造られていました。すでに経済力ではドルがポンドをしのぎつつあることを示しています。